2004.3.5
竹鶴酒造訪問

広島県竹原市に至る呉線の道中は、まるで海の上をのんびり走っている、そんな心地良さだった。

今年の1月に、倉吉の酒屋さんで竹鶴のお酒を試飲して、その素直で力強い酒質に衝撃を受けた。
熟成酒を意図的に造っているわけでなく、飲み頃を待って出荷したら、程よく熟成していたという。
しかも、燗して一層旨味が増す、理想的な純米酒である。造っている蔵元に、そして杜氏に興味が
湧き、一度訪問してみたいと思った。

竹原市に着くと、さっそく蔵元のある町並保存地区へ足を運ぶ。
非常に小さな町で、徒歩10分程度で着いた。空腹を、広島名物お好み焼きで満たし、いざ蔵元へ。

蔵の中は非公開だが、入り口にある小さな資料館(兼試飲販売所)は入ることができるので、
挨拶をして入れてもらう。倉吉の酒屋さんで(お酒を)紹介されて、非常に興味を持ったと、正直に
訪問の動機を伝え、自己紹介(業界の者ではないと説明)をした。
応対していただいた、おそらく蔵元の奥様ではないかと思う方は、倉吉の酒屋さんの話で警戒心を
解いてくれたようで、あとは話が弾んだ。試飲も、通常の販売品をひと通り出していただいた。

そして、私が日本酒にはまったいきさつ(古酒から入ったこと)を話すと、秘蔵?の20年以上の
古酒を出してこられた。これは、お客さんのところで忘れられていたお酒を、新しいお酒と交換した
貴重なお酒という。色は濃い琥珀色、香りはまさに長期熟成古酒。カラメルのように甘い味かと予想
したが、意外とスッキリ辛口で、キレが良い。偶然できた古酒にしては、かなり上質の古酒だった。
・・・もちろん、非売品。

他にも、今朝しぼったばかりの純米酒を、利き猪口(一合)に入れたものを、試飲させていただく。
これは、蔵を訪問してこそのお酒であるが、商品として出るのは、おそらく1年後だという。
また、去年の純米大吟醸袋吊り雫酒も、惜し気もなく試飲させていただく。
さすがにきれいな酒質で、ある意味、竹鶴らしくないお酒だった。
・・・もちろんこれも非売品で、まだ商品として出す予定もないとのこと。太っ腹な蔵である。

結局、10種類以上試飲した中で、雄町純米12BYが、バランス良く熟成していたので、購入。
これも、もう終売で、あと少ししか残っていないとのこと。お得な買い物をした。
ちょうど、一緒に来ていた若い男女が、美味しそうに色々と試飲をしていた。
私は嬉しくなり、色々と話をしながら、私が購入したお酒の試飲もお勧めした。
すると「美味しい」と言って、そのお酒を購入してくれた。これまた嬉しいことである。

杜氏さんとは、訪問して少ししてから、わざわざ挨拶に来ていただいた。
これから竹原地区の鑑評会に出席するそうで、出かける直前だったようだ。名刺交換もできたし、
少しだがお話もできた。たぶん杜氏さんは私のことをすぐ忘れられるだろうが、それでも会えた
ことは嬉しかった。お酒のイメージ通り、非常に力強い杜氏さんだった・・・。

後日、購入したお酒は、土産のつもりだったが、翌日には開封してしまった。
自分が旨いと思ったお酒は、やはり一人でも多くの人に飲んでもらいたいと思うから・・・。
 
 

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